会長からのご挨拶

 大気電気学は地球環境中の様々な電磁気現象を研究対象としている学問分野です。日本大気電気学会は、その前身も含めると五十年余の歴史の中で、雷や関連する気象現象、大気電場や大気の電離現象、地球環境電磁波、地震に伴う電磁気現象など多岐にわたる現象についての研究に取り組み、大気電気学の発展に貢献してまいりました。雷、竜巻、豪雨、地震、放射能、大気汚染、など社会的関心の高いテーマの研究も活発に行われており、先端的観測技術の実用化、専門知識の情報発信・普及など社会貢献にも尽力してきました。

 本学会も歴史を重ねて、定例の研究発表会は2022年1月の研究会で100回を迎えることができました。これまで学会の運営、活動にご尽力いただいた多くの会員の皆様に深く感謝するとともに、次代の学会を担う若い研究者の方々の今後の活躍を期待しております。現在は毎年1月に研究発表会を開催しています。新型コロナの感染拡大以降はオンライン開催が続きましたが、対面での開催も再開いたしました。ポスターセッションも取り入れ、活発な研究発表の場として充実させていきたいと考えております。また、JpGU(日本地球惑星科学連合大会)における大気電気セッションの開催も継続します。周辺領域の研究者との交流を促進し、学会のアクティビティを高めると同時に会員数の増加を目指していきたいと思います。定例の研究発表会とJpGUのセッションのどちらにも、多くの会員の参加をお待ちしております。

 定期的な出版物として、大気電気学会誌および論文誌JAE(Journal of Atmospheric Electricity)を発行しています。JAEは完全なオープンアクセスの電子ジャーナルとして、J-STAGEからどなたでも自由に閲覧できるようになっております。受理された論文は速やかにJ-STAGEで公開されます。英文・和文のどちらの論文も投稿可能ですので、研究成果の発表に積極的にご活用いただきたいと思います。

日本大気電気学会は、大気電気学および関連する領域の研究に取り組んでいる方々に、研究成果を発表し、研究者同士や一般の方々との交流ができ、さらに広く社会に情報発信ができる場をこれからも提供し続けてまいります。新しい時代にふさわしい会員サービスの充実を図るとともに、より社会貢献が果たせる学会となることを目指して皆様と力を合わせていきたいと思います。今後ともご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

長門研吉

高知工業高等専門学校
ソーシャルデザイン工学科